筋トレを始めたら何を食べる?初心者のための食事の基本と1日の例

筋トレを始めたら何を食べる?ご飯、焼き魚、野菜、ヨーグルト、果物を並べた食事のイメージ。 筋トレの基本

「筋トレを始めたけれど、何を食べればいい?」「鶏むね肉とプロテインだけで大丈夫?」

食事を調べると、たんぱく質、糖質、カロリーなど、難しい言葉が次々に出てきます。最初からすべてを計算しようとすると、食べることまで大変になってしまいます。

まずは、いつもの食事に「主食・主菜・副菜」があるか確認しましょう。

ご飯などの主食、肉・魚・卵・大豆などの主菜、野菜などの副菜。この組み合わせを土台に、1日の中で乳製品や果物も取り入れます。

筋肉の材料になるたんぱく質は大切です。しかし、たんぱく質だけで食事全体の役割を代わりにすることはできません。この記事では、難しい計算の前に押さえたい基本と、朝・昼・夜の組み合わせ例を紹介します。

主に健康な成人が筋トレを始める場合の一般的な情報です。文章はやさしく説明しますが、成人向けの摂取量を成長期の子どもに当てはめるものではありません。

筋トレの食事は「材料」と「エネルギー」をそろえる

筋肉づくりを家づくりに例えると、たんぱく質は材料です。けれど、材料を届けるだけでは工事は進みません。体を動かし、日々の生活を支えるエネルギーも必要です。

炭水化物は運動に使うエネルギーの大切な供給源です。脂質もエネルギー源になり、ビタミンやミネラルも体の働きを支えます。米国国立衛生研究所(NIH)は、運動の栄養の土台として、十分なエネルギー・水分と、多様な栄養素をとることを重視しています。出典:NIH「運動と栄養補助食品」

そのため、最初に考えるのは「特別な筋トレ食品を買うこと」より、普段の食事で抜けているものを補うことです。ご飯を全部抜いて肉だけにしたり、食事をプロテインだけに置き換えたりする方法から始める必要はありません。

最初に覚える食事の形|主食・主菜・副菜

栄養素の名前よりも、料理の役割で考えると選びやすくなります。

01

主食

ご飯・パン・麺

炭水化物の主な供給源。食事のエネルギーを支えます。

02

主菜

肉・魚・卵・大豆

たんぱく質の主な供給源。体をつくる材料になります。

03

副菜

野菜・きのこ・海藻など

ビタミン・ミネラル・食物繊維をとる助けになります。

これは、農林水産省・厚生労働省の「食事バランスガイド」に沿った整理です。ガイドでは、この3つに牛乳・乳製品と果物を加えた5つの料理グループで食事を考えます。出典:農林水産省「食事バランスガイドの適量と料理区分」

牛乳・ヨーグルトなどはカルシウムを、果物はビタミンなどをとる選択肢です。毎食5種類すべてを並べるという意味ではありません。朝食、間食、夕食など、1日の中に組み込みます。アレルギーや食事制限がある場合は、自分に合う代わりの食品を医療者と相談してください。

主食・主菜・副菜の役割と、1日の中で乳製品・果物も組み合わせる考え方
料理の役割を示す図です。食品の大きさやお皿の比率は、食べる量の基準ではありません。

丼や麺でも、組み合わせて考えられる

お皿を3枚並べなくても大丈夫です。例えば、鶏肉と野菜が入った丼には、主食・主菜・副菜の要素があります。ただし、具が少なければ十分とは限りません。

麺だけなら卵や豆腐と野菜を足す。パンだけなら卵と野菜を組み合わせる。「今ある食事に何を足せるか」と考えると、取り組みやすくなります。

初心者のための1日の食事例

ここでは、普通の食品で組み合わせる例を示します。特定の体格に合わせて栄養計算した献立ではありません。同じ料理でも量や材料で栄養は変わるので、全員に必要なエネルギーやたんぱく質を満たす保証はありません。

朝ごはん

ご飯+納豆・卵+野菜のおかず

  • 主食:ご飯
  • 主菜:納豆、卵
  • 副菜:小松菜などのおひたし、または野菜入りの汁物
  • 1日の中に加える例:プレーンヨーグルト、みかん

パン派なら:ご飯をパンに替え、卵と野菜、ヨーグルトなどを組み合わせてもかまいません。

昼ごはん

ご飯+魚や肉のおかず+野菜

  • 主食:ご飯
  • 主菜:焼き魚、または鶏肉などのおかず
  • 副菜:野菜の小鉢やサラダ

外食なら:ご飯・メインのおかず・野菜の小鉢がある定食は、組み合わせを確認しやすい選択肢です。量、調理法、塩分も見ます。

夜ごはん

ご飯+豆腐や肉の料理+野菜のおかず

  • 主食:ご飯
  • 主菜:豆腐と肉の料理、または魚など
  • 副菜:野菜炒め、温野菜、きのこ料理など

調理を簡単にするなら:冷凍野菜やカット野菜を使い、電子レンジで温野菜にする方法もあります。

間食は必須ではありません。食事の間が長く空くときや、1日の食事で補いにくいものがあるときに、果物、牛乳・ヨーグルト、おにぎりなどを状況に合わせて使います。

料理を全部作り直す必要はありません。まずは「パンとコーヒーだけの朝食に卵を加える」など、1食の変更から始めてみてください。これは本記事で提案する実践方法で、公的な摂取量の基準ではありません。

たんぱく質は、夕食だけにまとめない

肉や魚だけがたんぱく質の食品ではありません。卵、納豆、豆腐、牛乳、ヨーグルトなども使えます。ご飯やパンにも少量含まれるため、量を計算するときは食事全体を合計します。

朝はパンだけ、昼は麺だけ、夜に肉をたくさん食べる、という形なら、朝と昼にも主菜を入れられないか考えてみましょう。国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、1日のたんぱく質を複数回に分けてとる考え方を示しています。出典:ISSN「たんぱく質と運動に関する見解」

量を知りたい人は、食事全体の合計から

ISSNは、健康な運動実践者の筋肉づくり・維持に関する目安として、体重1kgあたり1日1.4〜2.0gを示しています。体重60kgなら84〜120gですが、運動量や目的、健康状態で考える必要があり、初心者全員が上限を目指すものではありません。

これは食品と補助食品を合わせた、たんぱく質そのものの量です。肉を84〜120g食べるという意味でも、プロテインの粉をその量飲むという意味でもありません。

商品表示の確認や、プロテインが必要になる場面は、「筋トレ初心者にプロテインは必要?食事との使い分け」で詳しく説明しています。

ご飯の量やカロリーは、全員同じにはできない

「毎食ご飯を何g食べれば正解?」と気になるかもしれません。しかし、食事の適量は年齢、性別、活動量などで変わります。農林水産省の適量チェックは、自分の食事を考える手がかりになります。

運動を始めたからといって、誰もが急に食事を増やす必要はありません。一方、体重を減らしたい場合でも、主食や脂質をすべて抜くような方法は、必要な栄養をそろえるのを難しくします。

まずは普段の食事を記録し、食事量、体重の経過、空腹感、運動中の調子を一緒に見ます。1回の体重だけで食事を大きく変えず、個別の目標量が必要なら管理栄養士に相談してください。

疲れやすさや体重の意図しない減少が続くときは、「食事が足りないだけ」と決めつけず、医療機関に相談しましょう。

筋トレ前後は、食べる時間と水分も確認

運動前|直前に大きな食事を詰め込まない

食事の直後に体を動かすと、お腹が重く感じる人もいます。オーストラリア・ビクトリア州の健康情報では、運動の3〜4時間前の食事や、必要に応じた1〜2時間前の軽食を紹介しています。ただし、これは競技や本格的な運動をする人向けの食事準備の例です。初心者の短い自宅筋トレに、その時間割を必ず当てはめる必要はありません。運動内容や胃腸の調子に合わせて調整します。出典:Better Health Channel「運動と食事」

食事から時間が空いてお腹がすいているなら、おにぎりやバナナなど、食べ慣れた少量の食品を試す方法があります。直前に揚げ物や大量の食物繊維をとると、胃腸がつらくなる場合があります。無理に食べて運動を続けないでください。

食後にどのくらい時間をあけるか迷う方は、食事の量と体調で考える、筋トレの始め方で、食後30分・1時間しかない日や夕食後の調整例を確認できます。

運動後|普段の食事も補給になる

運動後に主食・主菜を含む食事をとれるなら、その食事も補給になります。食事まで時間が空く場合は、軽食でつなぐなど、生活に合わせて考えましょう。

「特定の飲み物を飲まないと筋トレが無駄になる」と考える必要はありません。運動の前後だけでなく、1日を通した食事を整えることが土台です。出典:NIH

水分|運動前・途中・後に飲めるようにする

飲み物を近くに用意し、運動前から水分をとれるようにします。必要な量は汗の量、暑さ、運動時間などで変わり、「全員が必ず何L」という数字にはできません。

短い自宅筋トレにスポーツドリンクが必須とは限りません。長時間の運動や暑い環境では、水分だけでなく電解質やエネルギーの補給も考えます。水分制限のある方は医師の指示を優先してください。出典:NIH

コンビニで選ぶなら「足りない役割」を足す

コンビニ食でも、組み合わせを考えられます。サラダチキンだけで食事を終えるより、主食や副菜も確認しましょう。

おにぎりに卵・魚・豆腐などの主菜と野菜の副菜を足す例
おにぎりだけの食事に、主菜と副菜を組み合わせる例。商品の量や成分は別に確認します。
今、選んだもの組み合わせの例
おにぎりだけ卵・魚・豆腐などの主菜と、野菜のおかずを足す
サラダチキンだけおにぎりやパンなどの主食と、副菜を組み合わせる
麺だけ卵・大豆食品などと、野菜の小鉢を組み合わせる
パンだけ卵などの主菜を足し、野菜や乳製品も取り入れる

組み合わせは本記事の実践例です。商品によって量や成分が違うため、これだけで必要量を満たすとは限りません。栄養成分表示のエネルギー・たんぱく質・食塩相当量なども確認します。ドレッシングや汁物、加工食品が重なる場合は、塩分にも目を向けましょう。

安く続けたいなら、卵、納豆、豆腐、冷凍野菜、缶詰などを、価格や保存のしやすさに合わせて選ぶ方法があります。鶏むね肉だけに固定せず、買いやすく食べやすい食品を組み合わせてください。

買い物で迷わない、2日分の準備例

毎食違う料理を作る必要はありません。例えば、主食はご飯やパン、主菜は卵・納豆・魚など、副菜は使いやすい野菜というように、役割ごとに候補を少数選びます。翌日も同じ役割を別の食品で補うと考えると、献立を一から組み直さずに済みます。これは買い物の段取り例で、栄養量を計算した献立ではありません。

保存できる期間や調理方法は、商品の表示を確認します。忙しい日は冷凍食品や調理済みのおかずも候補になりますが、塩分や量なども含めて食事全体を見ます。コンビニでの具体的な組み合わせは、ダイエット中のコンビニごはんの選び方も参考になります。

表示の「1食分」と、自分が食べる量は別

栄養成分表示が100g当たりなのか、1袋当たりなのかを確かめます。袋の半分だけ食べるなら、記載された栄養量もその量に合わせて考えます。表示にある「1食」は商品の基準で、あなたが一食で必要とする量を決めるものではありません。

すでに主食・主菜・副菜がそろっている人は、この記事を読んだからと毎食さらに一品を足す必要はありません。量や運動の目的も確認します。足りない役割を補うことと、何でも追加することを分け、続けやすい食事を整えましょう。

よくある質問

筋トレを始めたら、プロテインは必須ですか?

食事で必要な量をとれているなら、追加は必須ではありません。食事だけでは補いにくい場合に使う選択肢です。詳しい使い分けはこちら。

休みの日は、たんぱく質やご飯を抜いたほうがいいですか?

筋トレをしない日も、体は栄養を使います。活動量に応じた調整は必要でも、「休みだから主食や主菜を全部抜く」と一律に決めないでください。

甘いものは、食べてはいけませんか?

食事バランスガイドは、菓子や嗜好飲料を楽しみとして適度にとる考え方を示しています。食べたことを失敗と考えるより、主な食事を置き換えていないか、量が増え続けていないかを確認しましょう。出典:農林水産省

持病や食事制限がある場合も、この例を使えますか?

腎臓病、糖尿病などで食事指導を受けている方は、その指示を優先してください。たんぱく質や水分を自己判断で増やさず、主治医・管理栄養士に相談しましょう。妊娠・授乳中の方や成長期の方も、成人向けの量をそのまま使わないでください。

今日の一歩|次の1食に、足りないものを1つ足そう

まず、次に食べる食事を思い浮かべてください。

  • ご飯・パン・麺などの主食はある?
  • 肉・魚・卵・大豆などの主菜はある?
  • 野菜などの副菜はある?
  • 1日の中で、乳製品や果物も取り入れられそう?

パンだけなら卵を足す。主菜だけならご飯と野菜を組み合わせる。すでにそろっているなら、量や続けやすさを見直す。

筋トレの食事は、特別な食品をそろえる競争ではありません。普段の食事を土台に、体を動かすエネルギーと、体をつくる材料をそろえていきましょう。

あわせて読みたい記事

参考資料と、献立例の位置づけ

食事の分類や運動時の栄養については、以下の資料を参照しました。朝昼夜の献立、コンビニでの組み合わせ、取り組む順番は、理解と実践を助けるために本記事で作成した例です。医療者による個別の献立や栄養指導ではありません。

資料確認日:2026年10月8日。

この記事は一般的な栄養・運動情報を提供するもので、個別の診断や栄養指導ではありません。免責事項 / 執筆者について

この記事を書いた人
理学療法士

理学療法士/「ひじりの筋トレ健康ノート」運営者。病院で理学療法士として働いています。筋トレの始め方や健康づくり、痛みが気になるときの運動の考え方を、参考資料を示しながら分かりやすくお伝えします。

ひじりをフォローする
筋トレの基本
ひじりをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました