腰痛があっても筋トレしていい?|理学療法士がやさしく解説

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「腰が痛いから、筋トレはやめたほうがいい?」

これは、腰痛のある方からよく聞かれる質問です。

結論からいうと、

腰痛があるからといって、必ずしも筋トレをやめる必要はありません。

もちろん、強い痛みがあるときや、注意が必要な症状がある場合は無理をしてはいけません。

大切なのは、

「腰痛があるから動かない」ではなく、「今の自分にできる運動を選ぶ」

という考え方です。

今回は、理学療法士の立場から、腰痛と筋トレについてできるだけ簡単に説明します。


そもそも腰痛って何?

腰痛とは、簡単にいうと、

腰のあたりに痛みや違和感があること

です。

「痛い」だけではありません。

  • 腰が重い
  • だるい
  • 張っている
  • 動かしにくい

このような状態も腰痛の一つです。

そして大切なのは、

「腰が痛い=腰が壊れた」

とは限らないということです。

腰痛にはいろいろな原因があります。

筋肉や関節など体の問題だけではなく、疲れ、睡眠、ストレス、運動不足など、いろいろなことが関係する場合があります。


腰痛があるとき、筋トレしてもいい?

ここが一番気になるところですね。

答えは、

「その人の状態によります」

です。

腰痛があっても、できる運動はたくさんあります。

たとえば、

  • ウォーキング
  • スクワット
  • ヒップヒンジ
  • デッドリフト
  • 体幹トレーニング
  • お尻のトレーニング

などです。

ただし、

「腰痛がある人は、この運動をすれば必ず治る」

というものではありません。

その人の痛み、体力、生活、運動経験などに合わせて、運動を選ぶことが大切です。

WHO(世界保健機関)も、慢性腰痛に対して運動を含むさまざまな方法を組み合わせることをすすめています。


「腰が痛い=安静」が正しいとは限らない

腰が痛くなると、

「動いたらもっと悪くなるかもしれない」

と考える人もいます。

そのため、できるだけ動かずに寝ている人もいます。

しかし、腰痛があるからといって、長い間ずっと動かないことが良いとは限りません。

痛みが強くなければ、

できる範囲で普段の活動を続ける

ことが大切です。

もちろん、痛みが強い場合は無理をしてはいけません。

「動く」と「無理をする」は違います。


筋トレは「腰だけ」を鍛えるものではない

腰痛の予防や改善を考えるとき、

「腰の筋肉を鍛えなければ!」

と思う人がいます。

でも、体は腰だけで動いているわけではありません。

たとえばスクワットでは、

  • お尻
  • お腹
  • 背中

など、いろいろな部分が一緒に働きます。

つまり、

「腰を守るために、体全体を使えるようにする」

ことが大切です。


腰痛と筋トレで大切なのは「少しずつ」

筋トレでは、

「早く強くなりたい!」

と思って、急に重い重量に挑戦することがあります。

しかし、体には慣れる時間が必要です。

例えば、

10kg → 20kg

と急に増やすより、

10kg → 11kg → 12kg → 13kg

のように、少しずつ負荷を増やしていく方法があります。

これは腰痛がある人だけではありません。

筋トレを安全に続けるための基本です。


「重いほど筋トレの効果が高い」は間違い

筋トレでは、

重い重量=良いトレーニング

ではありません。

大切なのは、

  • 自分に合った重さ
  • 正しいフォーム
  • 自分でコントロールできる動き
  • 適切な回数
  • 十分な休み

です。

特に腰痛がある場合は、

「重さ」よりも「自分でコントロールできるか」

を大切にしましょう。


スクワットは腰痛がある人でもできる?

スクワットは、腰痛がある人にも使いやすい運動の一つです。

ただし、全員が同じ方法で行う必要はありません。

まずは、

自分の体重だけ

から始めてもいいでしょう。

ポイントは、

  • 足を安定させる
  • お尻を後ろに動かす
  • 膝も使う
  • 自分で動きをコントロールする
  • 痛みを確認する

ことです。

できるようになったら、少しずつ負荷を増やします。


ヒップヒンジを覚えよう

腰痛と筋トレを考えるとき、ぜひ覚えてほしい動きがあります。

それが、

ヒップヒンジ

です。

簡単にいうと、

「股関節を使って、お辞儀をする動き」

です。

お尻を後ろに動かしながら、体を前に倒します。

そして、お尻を使って元の姿勢に戻ります。

この動きは、デッドリフトなどのトレーニングにもつながります。

「腰を絶対に動かさない」のではなく、

股関節や足など、体全体を上手に使う

ことを覚えるのがポイントです。


デッドリフトは腰に悪い?

「デッドリフトは腰に悪い」

と思っている人もいるかもしれません。

しかし、デッドリフトという運動そのものが、すべての人に悪いわけではありません。

重要なのは、

その人に合った重量・回数・動きで行うこと

です。

最初から重い重量を持つ必要はありません。

まずは軽い重量で、

「自分でコントロールできる」

ことを確認しましょう。

そして、少しずつ負荷を増やします。


腹筋をすると腰痛になる?

これもよくある質問です。

答えは、

「腹筋=腰痛の原因」ではありません。

一方で、

「腹筋をすれば腰痛が必ず治る」

というわけでもありません。

腹筋運動を含め、いろいろな運動の中から、その人に合ったものを選ぶことが大切です。

例えば、

  • デッドバグ
  • バードドッグ
  • サイドプランク

なども体幹トレーニングとして使えます。


ストレッチをすれば腰痛は治る?

ストレッチも、腰痛に対して使える方法の一つです。

体が動かしやすくなることで、運動がしやすくなることもあります。

ただし、

「体が硬い=腰痛の原因」

と簡単に決めることはできません。

また、

「ストレッチだけで腰痛を治す」

と考える必要もありません。

筋トレ、ウォーキング、ストレッチなど、いろいろな方法を組み合わせることが大切です。


腰痛があるとき、どこまで筋トレしていい?

ここは一人ひとり違います。

まず、

「どのくらい痛い?」

だけではなく、

「何をすると痛い?」

を確認してみましょう。

例えば、

  • スクワットでは痛くない
  • 前にかがむと痛い
  • 長く座ると痛い
  • 歩くと楽になる

など、人によって違います。

そのため、

痛みの数字だけで判断しない

ことも大切です。


痛みが出たらどうする?

筋トレ中に痛みが出たら、

「痛いけど、我慢して続ける!」

ではなく、一度止まって考えましょう。

① 痛みは強くない?

② 動きは普通にできる?

③ 痛みがどんどん強くなっていない?

④ 運動が終わったあと、症状はどうなる?

痛みが強くなる場合は、

  • 重さを減らす
  • 回数を減らす
  • 動きを変える
  • 別の運動にする

などの方法があります。


こんな腰痛には注意

すべての腰痛を「筋肉の問題」と考えてはいけません。

次のような症状がある場合は、運動を続ける前に医療機関へ相談しましょう。

🚨 足に力が入りにくい

🚨 強いしびれが出た

🚨 尿や便が出にくい

🚨 発熱がある

🚨 大きな転倒や事故のあとに強く痛む

🚨 痛みが急に強くなった

🚨 症状がどんどん悪くなっている

このような場合は、単純な腰痛ではない可能性もあります。


腰痛には筋トレ以外も大切

腰痛を考えるとき、筋トレだけを見る必要はありません。

🚶 歩く

😴 よく寝る

🧘 ストレスを減らす

🏃 普段から体を動かす

🥗 健康的な体重を保つ

こうした普段の生活も大切です。

「筋トレを週2回しているから大丈夫」

ではなく、

毎日の生活全体で体を動かす

ことを考えてみましょう。


腰痛だから筋トレをやめる必要はない

ここまで読んでいただいた方に、一番伝えたいことです。

腰痛=筋トレ禁止

ではありません。

そして、

腰痛=我慢して筋トレ

でもありません。

大切なのは、

「今の自分にできる運動を選ぶ」

ことです。

そして、

少しずつ強くする。

少しずつ動けるようにする。

少しずつ自信をつける。

この積み重ねが大切です。


まとめ

腰痛と筋トレについて、最後に6つだけ覚えてください。

① 腰痛=腰が壊れた、ではない

② 腰痛があっても、運動できることは多い

③ 筋トレは少しずつ

④ 腰だけではなく、体全体を使う

⑤ 痛みを我慢しすぎない

⑥ 強い症状があれば医療機関へ相談する


「腰痛だから、何もしない」から卒業しよう

腰痛になると、

「動いたらもっと悪くなるかも」

と怖くなることがあります。

でも、腰は本来、

動くためにある体の一部です。

大切なのは、

怖がりすぎないこと。

そして、

無理をしないこと。

その間で、自分にできる運動を少しずつ探していきましょう。

筋トレは、腰を守るためだけのものではありません。

自分の好きなことを続けるための体を作るものです。


参考にした主な資料

  • 世界保健機関(WHO)「Low back pain」
  • 世界保健機関(WHO)「WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain」
  • NICE「Low back pain and sciatica in over 16s」

※この記事は一般的な情報を分かりやすく説明するためのものです。個別の症状について診断や治療を行うものではありません。強い痛みやしびれ、筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関へご相談ください。

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