スクワットでかかとが浮くのはなぜ?初心者が確認したい足幅・深さ・支え方

スクワットでかかとが浮くときの深さ・足幅・支え方の確認 筋トレの基本

スクワットでしゃがむと、途中からかかとが浮いてしまう。「足首が硬いの?」「無理に床につけたほうがいい?」と迷うことはありませんか。

まずは、かかとが浮く手前まで浅くしてみましょう。痛みがなければ、次に足幅や支えを一つずつ変えて、足裏が落ち着く条件を探します。かかとが浮く見た目だけで、足首の硬さや病気を決めることはできません。

この記事は、主に重りを持たないスクワットで、かかとが浮く初心者に向けた確認ガイドです。深くしゃがめるかの合格試験ではなく、今できる練習を選ぶために使ってください。

痛みを押して、かかとを床へ押しつけないでください。足首・膝・腰に痛みが出る動作は中止します。けがのあとに強く痛む、足の形が変わった、歩けない場合は速やかに医療機関へ。足のしびれや感覚の変化、日常生活を妨げる痛みも相談の目安です。[3][4]

かかとが浮く理由は、足首だけとは限らない

しゃがむ動きでは、股関節・膝・足首が一緒に動きます。足裏を床につけたまま、すねが前へ傾くときに使う足首の動きを「背屈(はいくつ)」といいます。足の甲とすねが近づく方向、と考えると分かりやすいでしょう。

この動きが足りないことは一つの可能性です。ただし、同じ人でも足幅や深さを変えると、必要な関節の動きは変わります。身体の各部分の長さも関係するため、動画の人と同じ姿勢にならないことだけで、柔軟性不足と決めつけないでください。[1]

健康な若い成人32人が重りなしで行った研究では、狭い足幅ほど足首の背屈角度が大きくなる傾向があり、身体の長さの比率と関節角度にも関連が見られました。ただし、これはその場の動きを調べた研究です。あなたの原因を診断したり、足幅変更によるけが予防を証明したりするものではありません。[1]

「足首を伸ばせば必ず直る」と考える前に、どの深さ・どの足幅で浮くのかを整理するほうが、次に変える条件を選びやすくなります。

最初に確認:いつ、どちらのかかとが浮く?

痛みがなく、普段の立ち座りも問題ない場合は、滑らない床と足元を整えます。重りは持たず、疲れていない状態で、ゆっくり浅くしゃがんで戻ってみましょう。ふらつきが強い方は一人で確認しないでください。

気づいたこと最初に選ぶ対応
深くしたときだけ浮く浮く手前の深さに戻す。深さを優先しない。
足幅を狭くすると浮く浅い深さを保ち、足幅を少し変えて比べる。
後半の回数で浮くそのセットを終え、回数や負荷を見直す。
片側だけ浮く・左右で違う左右を無理にそろえない。続く場合や症状がある場合は相談。
痛みや強いふらつきがある確認の反復をやめ、必要に応じて医療者へ相談。

これは原因を当てる診断表ではなく、練習条件を整理するための本記事の提案です。「片側だけなら骨盤がゆがんでいる」などと自己判断するための表ではありません。

自分で見えにくければ、スマートフォンを安定した場所へ固定し、横から短く撮る方法もあります。撮影中に振り返ると動きが変わるので、動作を終えてから確認します。映像から痛みの原因や関節内部の状態までは分かりません。

確認する順番は、深さ→足幅→支え方

一度に全部変えると、何が楽だったのか分かりにくくなります。ここでは痛みのない初心者向けに、変える条件を一つに絞る順番を提案します。研究で全員に最適と確定した手順ではありません。

① 浮く手前まで、深さを浅くする

まず、足幅は普段のまま、しゃがむ深さだけを浅くします。かかとが離れそうになる前に止め、落ち着いて立つところまでを確認してください。お尻を低くするために、勢いよく沈み込む必要はありません。

目標は「太ももを床と平行にすること」より、足裏が落ち着き、動きを自分で止めて戻せることです。NHSにも、支えを使い、無理のない範囲で膝を曲げるミニスクワットが紹介されています。[2]

浅くすると落ち着くなら、その深さを今の練習の出発点にできます。すぐ深くできたことにしなくて大丈夫です。筋力づくりの量は別に調整が必要で、浅く1回できるだけで十分なトレーニングが完了する、という意味でもありません。

② 浅いまま、足幅を少し変える

足をほとんど閉じているなら、腰幅〜肩幅くらいを出発点に、少しずつ間隔を変えてみます。つま先は無理に正面へ固定せず、楽に向けられる範囲にし、膝だけを内側や外側へ強くねじらないようにします。

足幅を広くすれば必ずよいわけではありません。別の研究では、足幅やつま先の角度で膝・股関節などにかかる力の条件が変わりました。極端な足幅と角度の組み合わせを、万人向けの正解にすることはできません。[5]

比べるときは、深さ・速さ・重りの有無をそろえます。「広げたらかかとはつくけれど、膝が痛い」という条件は採用せず中止してください。床にかかとが触れることだけで、練習の適否は決まりません。

③ 動かない台に手を添える

前後へ倒れそうで、つま先で踏ん張ってしまうなら、固定されたカウンターなどの安定した支えに軽く手を添え、浅い動きから比べます。支えは、引いたり押したりしても動かず、体重をかける用途に耐えられるものを選びます。

NHSのミニスクワットは安定した椅子の背に手を置く方法です。[2]自宅では椅子の滑り・転倒に注意し、キャスター付きの椅子、ぐらつく家具、タオルを引っ掛けたドアなどは支えにしないでください。

支えると落ち着くことがあっても、それだけで「筋力不足だった」「足首は正常だった」とは判断できません。まずは支えを使った条件で続ける選択肢が見つかった、と考えましょう。

かかとが浮くときは深さを浅くし、足幅を少し変え、安定した支えを使う順に確認する図
確認の順番を整理した独自図解。AI生成のイメージで、個別の動作評価や実演の代わりではありません。

かかとだけに体重を乗せようとしなくていい

かかとをつけるために、つま先を浮かせて後ろへ倒れそうになるなら、調整をやり直しましょう。本記事では、かかとの一点を押しつけるより、足裏全体が落ち着く範囲を目印にすることを勧めます。体重を「かかとに何%」と細かく決める必要はありません。

「胸を張る」「膝を前へ出さない」「お尻を遠くへ引く」を全部強く意識しすぎて、かえって動きを止められなくなる場合もあります。この記事の確認では、見本の形を無理に作らず、まず浅さと支えで調整してください。

立ち上がること自体が難しい場合は、無理に立った姿勢からしゃがまず、椅子から始めるスクワットの練習を確認しましょう。足が床につく安定した椅子で、立ち座りから条件を選ぶ方法を説明しています。

ストレッチや、かかとの下のプレートは必要?

浮く見た目だけで、ストレッチの必要性は決められない

足首の動きが関係している可能性はありますが、かかとが浮くだけでは、どの組織が動きを制限しているかは分かりません。足幅や深さを変えても困る、左右差が続く、以前のけががある場合などは、理学療法士や運動指導者に実際の動きを見てもらう方法があります。痛みや腫れがある場合は医療機関への相談を優先します。

痛む方向へ体重をかけたり、人に押してもらって無理に足首を曲げたりしないでください。「壁から何cmなら正常」といった一つの数字だけで、スクワットの可否を決めることも避けましょう。

道具を買う前に、浅さと支えで比べる

ジムで見かける、かかとの高いシューズや傾斜台を使う方法と、動作中に意図せずかかとが浮くことは同じ条件ではありません。本記事は、道具を使った高重量のスクワットの指導ではなく、重りなしでの確認が対象です。

初心者が手近な本や不安定なプレートを重ねて、深さだけを増やすことは勧めません。まず道具なしで浅くする方法を試し、傾斜台などを検討するなら、滑りにくさ・安定性・目的に合う使い方を指導者へ確認しましょう。「かかとが浮くなら購入必須」という結論にはなりません。

できた条件を残すと、次の練習で迷いにくい

今日の目標は、何十回も繰り返して直すことではありません。痛みがなければ、まず1回をゆっくり確認し、休んでから別の条件を少しだけ比べます。これは動きを確かめるための例で、筋力向上の最適回数ではありません。

記録の例
重りなし/肩幅程度/カウンターに手を添える/浅めなら両かかとがついた/痛みなし。深くすると右が浮きそうなので、その前で止めた。

「何回できた」だけより、足幅・深さ・支えを残すほうが、次回同じ条件で比べやすくなります。かかとが浮かなくても、呼吸を止めて力み続ける、戻るときにふらつくなら、回数を増やす段階とは考えません。

吸う・吐くの順番が分からず力んでしまう方は、スクワットの呼吸の合わせ方も確認しましょう。

翌日の歩行や立ち座りに痛みが残った場合は、量を増やさず見直します。量の決め方は初心者の回数・セット数の考え方へ。痛みが中心の場合は、スクワットで膝が痛いとき、腰が痛くなるときの記事も参考にしてください。

まずは「浮かない深さ」を一つ見つけよう

スクワットでかかとが浮くときは、足首だけを責めず、深さ・足幅・支え方を確認します。床へ無理に押しつけたり、道具を買って深くしたりする前に、痛みなく落ち着いて戻れる条件を探しましょう。

今日試すなら、重りを持たず、いつもより浅く1回。それでも難しい、左右差や不安が続く場合は、条件をメモして相談してください。「なぜ浮くか」を一人で確定するより、次に使える方法を選ぶことが大切です。

参考資料と、この記事で分かる範囲

  1. Demers E, et al.(2018)The Effect of Stance Width and Anthropometrics on Joint Range of Motion in the Lower Extremities during a Back Squat. 健康な若年成人32人の実験。足幅・身体の比率と関節角度について参照。
  2. NHS(2024年レビュー)Strength exercises. 安定した椅子、立ち座り、支えを用いたミニスクワットを参照。
  3. NHS(2025年レビュー)Ankle pain. 足首の痛みや歩行困難など、医療相談の目安を参照。日本の相談先は医療機関です。
  4. Mayo Clinic(2026)Weight training: Do’s and don’ts of proper technique. 痛む動作の中止、フォームを保てない場合の負荷調整を参照。
  5. Lorenzetti S, et al.(2018、2020年訂正あり)How to squat? Effects of various stance widths, foot placement angles and level of experience on knee, hip and trunk motion and loading. 足幅・足の向きによる力学的条件の違いを参照。

資料確認日:2026年10月18日。一般的な運動情報であり、個別の診断・治療・安全保証ではありません。確認表、順番、記録例は資料を踏まえた本記事の実践案です。研究の測定条件と、自宅での練習提案を区別しています。表紙と本文図はAI生成です。

この記事を書いた人
理学療法士

理学療法士/「ひじりの筋トレ健康ノート」運営者。病院で理学療法士として働いています。筋トレの始め方や健康づくり、痛みが気になるときの運動の考え方を、参考資料を示しながら分かりやすくお伝えします。

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