「しゃがむと後ろに倒れそう」「立ち上がれない」「動画のように深くしゃがめない」。スクワットを始めてみて、難しさを感じることはありませんか。
最初から、支えなしで深くしゃがむ必要はありません。まずは安定した椅子からの立ち座りで、今の自分が落ち着いてできる動きを探しましょう。この記事では、痛みのない初心者が練習を始める方法と、難しいときの調整を紹介します。
- 痛みでできない場合は、フォームの練習を続ける前に中止・相談を優先。
- 椅子の高さ、手の支え、回数を調整して、無理なくできる条件を探す。
- 深さや回数を競わず、立つ・座る動きを自分でコントロールできることを目標にする。
「できない」のは、どの場面?
スクワットが難しい理由は、筋力だけとは限りません。バランスへの不安、動きへの不慣れ、椅子や足の位置なども確認したい点です。ただし、文章だけで原因を特定することはできません。
| 困っていること | 最初に見直すこと |
|---|---|
| 膝や腰が痛い | その動作を中止。痛みを押して練習しない。 |
| 低い位置から立てない | 安定した、少し高めの椅子や手の支えを検討。 |
| 後ろに倒れそうで怖い | 足裏が床につく座面で立ち座りから確認。ふらつくなら一人で試さない。 |
| 座るときにドスンと落ちる | 回数を減らし、支えを使ってゆっくり座れる条件に戻す。 |
これは診断表ではなく、練習条件を整理するための目安です。普段の立ち上がりにも支障がある、急にできなくなった、転びそうになる場合は、自己流で負荷を上げず医療機関で相談してください。
痛みや腫れがあるときは、練習より確認を
運動中に痛みが出たら、その動作を中止しましょう。[2] 特に、体重をかけられない、膝が強く腫れている・変形している、動かせない、発熱と膝の赤みや熱感がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。[3]
持病やけが、手術後などで運動制限がある方は、以下の練習を始める前に担当の医療者に確認してください。膝の痛みが中心ならスクワットで膝が痛くなるときの見直し方、腰の痛みが中心なら腰が痛くなるときの考え方も参考にしてください。
準備:動かない椅子と、滑らない足元を用意
- キャスターのない、ぐらつかず滑らない椅子を使います。
- 座ったときに両足の裏が床につく高さを選びます。
- 椅子を壁際に置き、周囲の物やめくれたマットを片づけます。
- 滑りやすい靴下だけで行わず、足元が安定する状態にします。
NHSも、安定した椅子と足が床につく高さを勧めています。[1] 沈み込むソファ、折り畳みが不安定な椅子、クッションを何枚も重ねた座面は避けましょう。肘掛けで支える場合は、肘掛け自体もぐらつかないことを確認します。
いきなり回数に挑戦せず、まず軽く身体を動かして準備します。具体的な流れは自宅でのウォーミングアップにまとめています。
椅子からの立ち座り:まずは1回を丁寧に
- 座る位置を整える:椅子の前寄りに、滑り落ちない範囲で座ります。足は腰幅程度に開き、足裏全体を床につけます。
- 上体を少し前へ:足裏に体重を移すつもりで前に傾けます。勢いをつけて何度も反動を使わないようにします。
- ゆっくり立つ:呼吸を止めず、両足で床を押して立ち上がります。立った後に腰を強く反らす必要はありません。吸う・吐くの順番に迷う方は、スクワットの呼吸の合わせ方も確認してください。
- ゆっくり座る:椅子の位置を確かめ、お尻を座面へ戻します。最後まで落ち着いて下ろせる範囲で行います。
NHSの立ち座り運動を参考にした手順です。[1] 手を使わずに行うのが難しい場合は、安定した肘掛けに手を添える方法から検討します。動く家具やタオルを引っ張って立つことは避けてください。
「立てたか」だけでなく、「安全に座り直せたか」までが1回です。手を使っても立てない、ふらつきが強い、座る動きを止められない場合は、一人で反復せず、個別に動作を見てもらいましょう。
難しい・簡単すぎるときの負荷の調整
次の表は、本記事で提案する調整例です。全員が上から順に進む必要はなく、同じ条件でも体調によって難しさは変わります。
| 今の状態 | 調整例 |
|---|---|
| 立つときに頑張りすぎる | 足が床につく範囲で少し高めの安定した椅子にする。必要なら肘掛けを使う。 |
| 数回で動きが崩れる | 崩れる前で終える。回数を減らし、休憩を長めに取る。 |
| 同じ条件で余裕がある | 回数を少し増やすか、手の支えを少し減らす。どちらか一つだけ変える。 |
| 支えなしでも安定している | 慣れた椅子で続けてもよい。立った姿勢からの浅いスクワットは別の選択肢として試す。 |
椅子を低くする・支えを減らす・回数を増やす、を同時に変えると、何が負担だったか分かりにくくなります。変える条件は一度に一つにして、運動中と翌日の様子を確認しましょう。
回数と頻度:最初は動きを覚える量から
初回は1回試し、問題なくできれば合計3〜5回を1セットにする、という始め方があります。これは動きを確認するための控えめな実践例で、筋力を高める最適回数や、必ず達成すべき最低回数ではありません。
座って休み、呼吸や足の疲れが落ち着いてから次の動作へ進みます。最初から「あと1回もできない」ところまで頑張る必要はありません。NHSの立ち座りの例は5回を目安にしていますが、回数は自分の状態に合わせます。[1]
始めは連日を避け、週2回程度の予定例から考えてみましょう。疲れが残る日は休みます。この練習だけで全身の筋トレが完結するわけではないので、慣れたら器具なしの基本メニューで他の部位の運動も確認してください。
記録は「椅子の高さ・手の支え・回数・痛みや疲れ」を一言ずつで十分です。同じ椅子で手の助けが少なくなった、座る動きが落ち着いた、といった変化も振り返れます。回数やセットを増やす考え方は負荷の決め方の記事で解説しています。

練習を比べるための、椅子と動作の記録
「今日は5回できた」と書くだけでは、前回より楽になった理由を比べにくいことがあります。同じ椅子を使ったか、手でどこを支えたか、立ち上がるときに勢いをつけなかったかも残します。椅子を変えた日は、高さや座面の安定性が違うため、回数の増減をそのまま筋力の変化と決めません。
例えば「同じ椅子、手の支えあり、3回。座る最後までゆっくり戻れた」という記録なら、次回も同じ条件を試しやすくなります。手の支えを減らすことと回数を増やすことを同時にせず、どちらか一つを変えます。これは個別の進級試験ではなく、調整を振り返るための例です。
立てても、座る最後にどすんと落ちるなら
立ち上がるだけで一回を終えず、座面へ戻るまでを練習に含めます。最後に勢いよく落ちるなら、その時点では戻る動きを制御しにくいという情報です。回数を増やさず、安定した支えを使うなど条件を軽くし、それでも難しい場合は指導を受けます。座面に届かせるために後ろへ大きく倒れ込まないようにしてください。
翌日に立ち座りや歩行がいつもよりつらければ、次回の量を増やす理由にはしません。練習した回数と生活の変化を残し、続く痛みや腫れがあれば相談します。椅子を使う方法は負荷を調整する選択肢であり、どんな症状でも安全にできる運動ではありません。
よくある疑問
深くしゃがめないと意味がない?
初めから深さを目標にしなくて構いません。NHSには、支えを使って無理のない範囲で膝を曲げる浅いスクワットも紹介されています。[1]深くしゃがむことと、今の自分に合う練習は分けて考えましょう。
しゃがむ途中でかかとが浮く場合は、かかとが浮くときの深さ・足幅・支え方の確認も参考にしてください。足首だけを原因と決めず、変える条件を一つずつ選ぶ方法を整理しています。
手を使ったら練習にならない?
手の支えを使うことは、動作を始めるための調整方法の一つです。支えなしと同じ負荷にはなりませんが、無理に手を離して転びそうになるより、安定した条件で取り組みましょう。
何日で普通のスクワットができる?
一律の日数は決められません。「普通」を深いスクワット一つに固定せず、痛みなく、ふらつかず、立ち座りをコントロールできるかを見てください。練習しても日常の立ち上がりがつらい場合は、原因を自己判断せず相談しましょう。
今日の一歩:自分に合う条件で、1回を確かめる
痛みなどの気になる症状がなければ、まず椅子と足元を整え、1回の立ち座りを確認します。難しいなら高さや支えを見直し、できた条件を記録する。その小さな確認から始めてみてください。
スクワットは、見本と同じ深さを再現する競争ではありません。今の自分に合う条件を選び、無理なく続けられる量を少しずつ探していきましょう。
参考資料
- NHS. Strength exercises. 椅子の選び方、立ち座り、浅いスクワット。
- Mayo Clinic. Weight training: Do’s and don’ts of proper technique. 動作、呼吸、準備運動、痛みが出たときの対応。
- NHS. Knee pain. 速やかに相談したい膝の症状。
本記事は一般的な運動・健康情報であり、個別の診断・治療ではありません。調整表や初回の回数は、資料を参考にした本記事の導入例です。資料確認日:2026年10月8日。アイキャッチはAI生成のイメージで、椅子の設置や動作の見本ではありません。


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